投資用語の基礎知識

2012-05-14

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■経済金融の基本

1.金融とは?

金融とは、文字通り、金銭の融通です。
資金が余っている人が足りない人へ融通することを言います。

世の中には、お金が余っている人と足りない人がいますが、我々が個人で、そのような相対の人を探すのは大変です。
また、例え探し出せたとしても、初めて会う人にお金の貸し借りを行うことは、現実的には困難です。

そこで、これらの人たちの仲介をするのが金融機関ということになります。
金融機関には、銀行や証券会社、保険会社、消費者金融、投資会社など数多くの種類があります。

金融機関の体系や、目的、理念は様々で、例えば、政府管轄の金融機関である「日本政策投資銀行」などは、日本の経済発展に寄与するという公的目的がありますし、「ヘッジファンド」などは、特定のお金持ちや金融機関から集めたお金を、市場の動向に関わらず最大限に増やすという目的をもっています。

日本の「銀行」は、もともと戦後の復興のために、世間に資金を融通するという公的な使命が大きい側面がありました。
しかし一方で、特に現在では、営利団体として、利益を追求しなければならないという使命もあります。

金融機関は、利益が上がらなかったり、規模が小さすぎたりすると、金融機関自体がお金の融通が出来なくなり倒産してしまいます。
あなたがお金を預けるとすれば、より信用できる人を選びますよね。

この単純な原理が金融の世界でも全く同じように働きます。
よって、金融機関としては、公的使命と利益の追求という難しい経営問題を常にクリアしていかなければならないということになります。

最近では、貸し渋りを批判した石原東京都知事の案で、国民の見方的な発想で「新東京銀行」を立ち上げ、気前良く融資してきましたが、やはり経営がうまくいかず、大変な事態になっています。

これは公的使命を重視し過ぎ、利益の追求に失敗してしまった典型的な例と言えるでしょう。

2. キャッシュフローって何?

金融とは、しばし経済活動の中の血液の流れに例えられます。
血液の流れが止まると人間は死んでしまうように、会社や我々個人も、お金がなくなってしまうと日々の活動が出来なくなって、死んでしまいます。(倒産なり破産に追い込まれてしまいます。)

つまりいつでも手元に現金がないと我々は生きていけないわけです。
会社は赤字でも即、倒産ということにはなりませんが、現金が手元になくなってしまうと、支払が滞ったりして倒産してしまいます。

(日本の場合、手形が2回不渡りになると銀行取引停止です。
)このお金の流れをキャッシュフローと言います。
会計的には、キャッシュ(現金)の出入りに注目し、入りから出を引いたものを「キャッシュフロー」と言います。

例えば、ラーメン屋さんで、1ヶ月100万円の売上げがあり、麺等の仕入れ代や家賃を50万払ったとすると、キャッシュフローは50万円です。
これは日常の営業活動によるお金の流れなので、「営業キャッシュフロー」と言います。

次に、この50万円を、お店の改装に使ったとします。
そうすると、それにより、将来はお客さんの増加とか利益が期待されますが、手元のお金は50万円減ります。

これは50万円マイナスのキャッシュフローです。
このように投資や資産の売却等によって生まれるお金の流れを「投資キャッシュフロー」と言います。

次に、50万円使ってしまったので、銀行からお金を100万円借りるとします。
そうすると単純に手元には100万円のお金が増えます。
これで100万円プラスのキャッシュフローとなります。

このように財務的なお金の流れを「財務キャッシュフロー」と言います。
会社の決算書には、このようにキャッシュフローを3つの側面から見て、会社がどのようにお金を調達し、使ったかが示されています。
お金(現金)の流れに注目したキャッシュフローは非常に大事な考え方、用語なので覚えておきましょう。

「ビジネスとは、自分のアイデアをキャッシュに替えることだ。
」という方もいます。
キャッシュをたくさん持っている人、またはキャッシュをたくさん調達出来る人はやはり強いのです。

3.銀行の持つ重要な役割

ここでは一番身近な金融機関である銀行の話をします。
銀行は3時には閉まってしまって何をしているんだろう?と思われる方も多いはず。
銀行の主な役割は、前に述べたように、”お金の仲介役”です。

銀行の仕入れは、基本的に預金です。
普段すぐに使わないお金を会社や個人から集めています。
この不特定多数からお金を集めるという行為は「出資法」で規制されており、金融機関の中でも銀行しか出来ません。

そしてこの集まったお金を、お金が必要な会社や個人に貸しています。
これが「金融仲介機能」です。
ここでひとつ重要な機能があります。

例えば、Aさんが銀行に100万円を預金します。
銀行は、この100万円をBさんに貸します。
Bさんは、この100万円で商売の仕入れとして、Cさんに100万円を払います。
そして、Cさんは、この100万円を銀行に預金します。
さらに銀行は、またこの100万円を貸し出し。。 。 。
さて、もともと100万円だったものが、200万円またはそれ以上のお金が、どんどん生まれていきますね。

これは「マネーサプライが上昇している」と言う現象になります。
このように、銀行は社会に還元するお金の量を増やす役割があります。
}
これを「信用創造機能」と呼んでおり、銀行が果たす非常に大きな役割です。
よく”お金は天下の回りもの”と言いますが、その意味に近いですね。

この信用創造機能が、どこかの段階で機能しなくなると、資金の流れが滞留します。
つまり人間で言えば血液の流れが悪くなり病気になってしまいます。

もうひとつ、例えば、本来、お金が余っているAさんが、足りないBさんにお金を貸したとすると、AさんはBさんから、一定期間の後、金利と一緒にお金を返してもらわなければなりません。

また、商売上でのお金のやり取りも必要です。
これらの役割も銀行は担っています。

これを「決済機能」と言います。
以上の3つが主な銀行の重要な役割と言えます。

4.株式会社は誰のもの?

株式会社の起源は、東インド会社だとされますが、航海ための莫大な資金を、複数の商人で出し合って、出資比率により利益を分けたという意味では、もっと昔まで遡ることが出来るかもしれません。

よく会社は誰のものか?と議論がありますが、法的に言えば、何の疑いもなく”株主のもの”となります。

しかし同時に、会社はそこで働く従業員とその家族のものであり(従業員の帰属場所)、顧客のためであり(第3者への貢献)、ひいては、社会のため(公的役割)というように多くの役割や意味合いをもってきます。

しかし、やはり資本主義経済である以上、利益を出すことも最も重要な一つであることは疑いがありません。

手元に100万円あって、何か商売を行います。
1年後に105万円になったとすると、利回りは5%ということになります。

(実際には5%の利益から税金が引かれます。)銀行預金で6%増えるとすれば、あくまで経済的意味合いだけで言えば、会社を経営するより銀行に預けておいた方がマシということになってしまいます。

少し話はズレますが、この利回りの考え方は、資産運用を始める上で大事です。
会社の経営、不動産への投資、金融商品の購入、はたまた自宅や自家用車の購入、洋服の購入等、日常生活の細部に至るまで、”経済活動の中の投資”として何%の利回りがあるのかと考えてみると、おもしろいとおもいます。

例:1泊20万円のスイートに泊まってみる。
⇒話題が広がり話がはずむ。
または、良いモノ、サービスの価値観が理解出来て、経営者と話がはずむ。
⇒自分への印象が深くなる。
⇒契約が取れる。

もしくは、高級ホテルや旅館を泊り歩いて、評論家として本を出版する。
と考えれば、この投資活動は、すごく大きな利回りを生むかもしれません。

一方で何の目的もなく泊まっただけでは、単なる”浪費”となってしまうかもしれません。
自分の使う時間、やること、使うお金がどのような利益を生むか、どれくらいの利回りになるか考えてみましょう。

5.証券会社とインベストメントバンク

銀行は、金銭そのものを仲介するのが主な役割だと、お話しましたが、証券会社は金銭ではなく、有価証券(株券、社債等の債券)の売買や仲介をすることが主な役割です。

大きな規模の商売をする時に、多くの人からお金を集めたいとします。
単純に銀行から借入をする方法のほかに、株券を発行して、資本として(利益の中から配当として還元)、または社債を発行して、借入として(金利として支払う)方法も取れます。

このような役割は、証券会社が担います。
一般の証券会社のほか、先物取引やオプション、証拠金取引等に特化した証券会社や、外資系証券会社等があります。

ゴールドマンサックスやメリルリンチ、リーマンブラザーズなどは、金融工学や統計、デリバティブを駆使して、様々な金融商品を生み出し莫大な利益を上げてきました。

これらのインベストメントバンクの収益源は、自己勘定による投資も大きな比率を占めます。
このような形態を一般にインベストメントバンクと呼び、日本では証券会社として判別されます。

しかし、2008年のサブプライム問題を発端とした金融崩壊により、リーマンは倒産、メリルはバンク・オブ・アメリカ(銀行)に買収され、ゴールドマンは金融持株会社の下の機関へと業態転換しました。

(証券会社は国から資金を借入出来ないため、銀行形態の持ち株会社とし、政府からの資金援助を得たわけです。

6.金融市場ってどこにあるの?

築地の市場にいけば、魚の関係者が一同に会して、魚のセリが行われている光景が見られます。

セリとはオークションのことです。
これと同じように金融の世界にも、お金そのものや、金融商品の売買が行われる市場があります。

築地のセリに一般の人が参加出来ないように、金融の市場でも、機関投資家(金融機関)が参加します。
よくテレビでも、「本日の東京外国為替市場は。。 。 」とか、「東京証券取引所の株式市場は。。」といった言葉が聞かれます。

しかし、金融の場合は、市場といっても、実際に皆が集まって取引するわけではなく、オンライン上でバーチャルの形で取引を行います。
金融の市場は一見複雑そうに見えますが、他の市場と全く同じ原理で、需要と供給のバランスによって価格が決定されます。

例えば、上場企業A社の株を保有しているBさんがいて、一株1000円で売りたいと思っていて、オファーを出したとします。
一方で、A社の株を買いたい人は、何人かいたのですが、一番高い値をつけた人がCさんの950円だとします。

すると、この取引は成立しません。
しかし、Bさんがどうしても売りたいのであれば、950円なら売れますし、Cさんもどうしも買いたいのであれば1000円出せば買えます。

このように、売り買いの間で、条件の良いもの、合ったものから成立していきます。
実際には、数多くの機関投資家が、様々な思惑を秘めて取引しますので、より複雑になりますが、根本的原理はこうなっています。

これは、金融機関同士で短期資金を融通し合うコール市場や、為替市場、オプションやコモディティなど、全ての市場で同様です。

7.為替は世界最大の博打?

為替と一般的に言うと、様々な意味がありますが、通常は外国為替、つまり通貨間の取引または、交換レートと解釈されます。

「ドル円相場」などが一般的です。
世界には様々な国があり、様々な通貨が使用されていますが、世界で一般に信用されている通貨、インターナショナルな通貨は限られており、米ドル、ユーロ、円が世界の3大通貨となります。

続くのが英ポンドですが、今やメジャーな国際通貨とは言えない程にまで地位は低下しています。この他、オーストラリアドルや、ニュージーランドドルは高金利なため、日本でも人気の通貨となりました。

現在では、「変動為替相場制」が一般的ですが、自国の経済が十分に強くなく、通貨の流通量も少なく外部からの要因を受けやすかったり、システムが十分整備されていないような国では、他通貨、(主に米ドル)との交換レートを定めている通貨もあります。

これを「ペッグ制」または「固定為替相場制」と言います。
中国やマレーシアでは、最近まで米ドルペッグでしたし、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などは、現在でも米ドルペッグ制を取っています。
そもそも為替の原理に、「購買力平価」という考え方があります。
例えば、同じモノの価格は、どこで買っても同じ価格のはずですから、アメリカでそのモノが1ドルで買え、日本では100円だとすれば、為替レートは1ドル=100円となります。
他にも二国間の貿易に注目したりもできます。

ドル円を考えた場合、日本からアメリカへの輸出の方が多ければ、基本的にドルを円に交換したい人の方が多いわけですから、理論的には、恒常的に円高になるはずです。

また心理的には、アメリカの景気が悪くなると思えば、ドルは下がるだろうから、今のうちにドルを円に替えておこう。
と考えます。

その他、各通貨の金利なども影響してきます。
最近よく聞く「円キャリー取引」というのが、これに当たります。

金利が安い円で借入をして、為替を起こしてオーストラリアドルに替えます。
オーストラリアドルの金利は高いので、高金利を享受して、円の借入金利よりも上回れば、簡単に利益を得ることが出来ます。

このようなことを多くの人が行えば、円安、オーストラリアドル高となります。
但し、実際には、実需に基づく取引よりも、投機的取引の方が増えています。

こうなると、様々な思惑が重なり、レートが決定します。
実需以外に多くの資金が流入しているため、為替市場は、美人投票の場の様相を呈しています。

つまり、実際には美人でなくても、より多くの人に、現時点で、美人だと投票された人が、美人という原理になります。
ですので、「現時点では、こう予想している人が多いだろう。
」と予想するようなことも必要になります。

よく、為替市場は世界最大の博打だと比喩されます。
これはあながち間違っているとも言えません。

為替は全ての金融市場の中で、最も多くの要因により影響を受けるからです。
各国の経済状況はもちろんのこと、様々な戦争、紛争、天変地異、世界中のありとあらゆる事件やニュースにより影響されます。

また取引量も非常に大きくなります。
その意味で、為替は、先を読むことが最も難しい金融商品と言えるかもしれません。

しかし、逆に為替は相対取引でもあります。
株式などの市場では、これに対して絶対取引とも言えます。

例えば株式に投資した場合、世界全面株安という状況がありますので、空売りでもしない限り、相場が下がれば、どの株を買っていても、負けてしまいますが、為替の場合は、米ドル、ユーロ、円のいずれかが必ず相対的に値上がりします。

ほとんど,三択問題と言え、非常に単純ではありますが、その分、非常に難しいというおもしろい側面を持っています。

また土壌が大きすぎて、操作をしにくいという側面もあるでしょう。
為替は非常に多くの人が参加し、世界中の全ての出来事が要因となって変化する美人投票と考えれば間違いありません。

ここで、為替の上下を表す言葉を見てみます。
少しわかりにくいので覚えておきましょう。
例えば、 “本日の為替相場はドル円が下落”という意味わかりますか?これは、ドル円ですから、ドルが円に対して下落したという意味になります。

つまり、言いかえれば、”今日は円高になった”ということです。
この言い方は、ディーラーやアナリストが通常使う言い回しで、そのままニュースなどでも使いますので、覚えておくと良いと思います。

また、上述の通り、為替は相対取引なので、円もドルも両方とも良い条件がなくても、「まだ円の方がマシだろう。 」ということで、円がドルに対して値上がりしたりします。

このような場合、”円高”とはあまり使わず、”ドル安”と言うことが多いです。
現象としては同じなのですが、実態をうまく言い表した表現と言えると思います。
最近(2009年1月時点)は円高が進んでいますが、これは、まさしく”円高”ではなく、”ドル安”と表現した方が良いでしょう。

他には、例えば、よくニュースなどで「織り込み済み」という言葉を聞きます。
これは、きっとそうなるだろう。
と既に多くの人が思っているので、実際にそのことが起こってもあまり大きなインパクトは無いだろうということです。

例えば、日銀が来週、公定歩合を0.5%下げそうだと、ほとんど全ての人が予想していているとします。
このような場合、通常、ディーラーなどは、既にその条件は織り込んでポジションを調整するなりしています。

この場合、実際に公定歩合が0.5%下がったとしても、市場には大きなインパクトは与えません。
逆に下げ幅が予想以上の1.0%であったり、下げなかったりした場合には、市場にインパクトを与えることがあります。

 

■金融商品

 

1. 金利は誰が決めるのか

金利とは、お金を貸し借りした時に支払う対価のことです。
「利率」とか「利息」とか「利子」と呼ぶこともあります。
文字通りお金がお金を生むわけです。

では、金利はどのように決まるかというと、これも基本的には市場原理で決まります。
世の中のお金が余っている人と、お金を借りたい人の需給バランスで決まるわけです。

しかし、経済を安定させる目的で、国が政策的に金利を決めている部分もあります。
それが「中央銀行」が決める一般の銀行への貸し出し金利です。

中央銀行は、「政府の銀行」「銀行の銀行」「通貨発券銀行」としての役割があります。
銀行は通常、中央銀行からお金を借りたり、銀行間同士でお金の貸し借りをしています。

日本では、中央銀行である「日本銀行」が一般銀行への貸し出し金利である「公定歩合」をコントロールすることにより、経済の安定化を図っています。

アメリカで言えば、「連邦準備制度:FRS:Federal Reserve System」がその役割を果たしており、「連邦制度準備理事会:FRB:Federal Reserve Board」が政策金利を決定しています。
政策金利を高く設定すると、銀行間同士の金利も高くなり、市中(一般)に出回る金利も高くなります。

一般に、金利が高いと、預金は問題ありませんが、借入をするメリットが少なくなります。
よって、お金を借りて事業を行ったり、投資をしたりする人が少なくなります。
海外からみると金利の高い通貨は投資に有利なため、(上述の円キャリー取引参照)その通貨の価値は相対的に上がり、輸出が減り輸入が増える傾向になります。

政策的に金利を上げるということは、バブル等の過熱した景気を冷ます効果があります。
逆に、金利が低ければ余剰資金を置いておくメリットは少なくなります。

また、安い金利で借入が出来るため、投資が増えやすくなります。
海外からみると金利の低い通貨を保有するメリットは少ないため通貨の価値は相対的に下がり、輸出が増え輸入が減る傾向になります。

経済の低迷が予想される時や、テコ入れをする効果があります。
日本では、日本銀行が決定する公定歩合により、市中銀行(一般の我々が使う銀行を、中央銀行に対して、市中銀行と呼ぶことがあります。 )が、「短期プライムレート」「長期プライムレート」という、企業宛の最優遇貸出金利を決定します。

「短プラ+1.0%」などと表現します。
これは、短期プライムレートが3%であれば、貸出金利は4%という意味になります。

2.複利のマジックパワー・これであなたも大金持ち?

単利と複利の違いを見てみましょう。
手元にある100万円を5%の金利で3年間運用したとします。

単利5%で運用すると、1年後は、100万円×105%=105万円(100万円の元本と5万円の利息。
)となります。
2年後も、3年後も同様で、3年間の運用後は、元本100万円+利息15万円の合計で115万円となります。

では、複利5%で運用するとどうなるでしょうか。
1年後は、100万円×105%=105万円(100万円の元本と5万円の利息。)と、ここまでは同じです。
しかし2年後は、105万円×105%=110万2,500円(元本105万円:利息の5万円を元本に組み増し。

及び利息の5万2,500円となります。
)さらに3年後は、2年目の利息5万2,500円を元本に組み増し運用しますので、110万2,500円×105%=115万7,625円となります。
このように、利息分も元本に随時組み入れし運用するため、利息が利息を生んでいく形となります。

この利息を元本に組み入れるタイミングも様々です。
「1年複利」であれば、1年毎、利息が元本に組み入れ、「2年複利」であれば、2年毎に利息が元本に組み入れられ、運用されていくという意味になります。

この複利のパワーは運用が長期間になればなるほど威力を発揮します。
例えば毎月10万円積み立てていき、年利5%の福利での運用を25年間行ったとしましょう。

40歳の時に定年後を見越して積み立てを始めたと仮定します。
毎月10万円の25年間ですから、元本の積立合計額は、3,000万円となります。
もし、毎年、利息を受け取ってしまえば、25年後は、元本積み立て分が3,000万円残ることになります。

しかし、利息を受け取らずに複利で運用していくと、何と25年後には、約6,000万円と、積み立てた元本の約倍になります。

さらに複利10%の実績があったと仮定すると、25年後には、約1億3,000万円となります。
何と、元本の3,000万円のほかに、1億円も増えてしまいます。

これが複利の持つマジックパワーです。
実際には、過去の実績で言えば、年利10%で運用することは、さほど困難なことではありません。

もちろん足許は、金融不況なのですが、長い目で見れば平均5-10%の運用利率を目指すということは、極めて現実的だと言えるでしょう。

このように、あなたも運用を行うことによって、豊かな定年後の生活を送ることが可能になると言えると思います。

また、この複利の理論は、借入の場合も同様です。
長期間の自動車ローンや住宅ローンなどは、最初のうちは、いくら払っても元本が減らないという印象を受けると思います。

これは、元本が大きい最初のころは、毎月返済している金額の大部分が、利息部分に充当されるためです。

ましてや、返済が滞ると、利息が利息を呼ぶ結果となってしまいます。
期間の長い住宅ローンなどは、期間中の支払総額のうち、利息部分の方が元本返済部分より大きい場合が多々あるのもこのためです。

3.債券って何?

金銭の貸し借りを行う時に、”貸した”"借りた”の証拠となるために、通常は手形を発行するなり、契約書を作成します。

AさんがBさんから1億円借りる場合、Aさんが、手形を発行し、受取人としてBさん、返済期日、返済金額を記入します。

これが「約束手形」です。
手形は有価証券であり、その権利や義務は法律によって守られています。
また、契約書を作成する場合もあります。

この契約書にも同様に、借入人、金額や返済期日、金利やその返済方法などが書かれています。

これを通常「金銭消費貸借約定書」と言います。
一般には、略して「金貸」とか「金消」と表現します。
金銭消費貸借約定書は、一般的には1年以上の長期の借入に利用され、手形は1年以内の短期間の借入に使用される傾向にあります。

一般消費者の我々でも、クルマや住宅、もしくはクレジット会社を利用して高額の商品を買うような時に、この「金貸」を利用したことがある方も多いと思います。

読めないような小さい文字で、あれこれとたくさんの文章が並べられているアレです。
このようにお金を借りると、貸した側には、お金を返してもらう権利「債権」が発生します。
借りた側は同様に「債務」と表現します。

お金に色はない(品質の違いなどない)ので、借りた側は、要はお金と利息が決められた通りに返ってくれば良いことになります。

例えば、AさんはBさんからお金を借りましたが、同時にCさんにお金を貸していたとします。
Aさんは、CさんがBさんに代わってお金を返済しても何の問題もありません。

このように、お金を借りた”証拠”である手形や金貸が、第3者に譲渡される場合があります。
特に手形の場合は、譲渡されることを前提とした作りになっており、手形の裏に、新しい債務者を記入することにより、譲渡手形として流通します。

以上のように金銭の貸し借りを行うと、「債権」と「債務」が発生しますが、この「債権」を紙で表した証拠が「債券」となります。
「債券」については、第3者の手に渡ったものであると、本物かどうかの区別が付きにくくなります。
よって、形式、様式は法律によって定められています。

4.国債は安全か

上述の債券の中で、国が発行したものを「国債」と言います。
債券の中には、国が発行する国債から、地方公共団体が発行する「地方債」、会社が発行する「社債」等々、多くの債券がありますが、我々は日本国民である以上、国が発行する債券が最も信頼出来るものと考える方も多いでしょう。

国債を購入する、国債に投資するということは、国に対してお金を貸していることと同義です。
国が「お金を返す」と言っているのだから、これ以上の信用は無いという考えです。

このように考えると、投資に対するリスクの所在というのは、非常にわかりやすいと思います。
つまり、債券に投資するということは、その発行先のリスクを取るということになります。

国債の場合、日本が破産して、「すいません。もうお金がないので、国債に投資して頂いたお金は返せません。 」と言うか、「今月が満期ですが、今はお金が無いので少し待ってください。
」というような事態にならない限り、基本的に投資した元本は保証されます。

当然、投資したお金(元本)が安全に戻ってくる可能性が高いわけですから、金利(利回り)は低くなります。

国債には、その発行する目的により様々な種類があります。
目的別で言えば、「普通国債」のほか、道路や空港などの公共事業に使われる「建設国債」、財政の赤字を補うための「赤字国債」などです。

また、商品別でも様々な種類があり、期間も1ヶ月から30年程度までと様々です。

ちなみに、日本政府の財政赤字は、800兆円を超えており、地方公共団体の赤字も含めれば、1,000兆円を超えています。

(2008年現在)「赤字国債」の発行なくしては、国の運営が回らない状態なのです。
そもそも国の運営は税金によって賄われるべきものです。

現在の日本の税収は、年間およそ50兆円です。
本来なら、この50兆円で何が出来るかを考えなければいけないのですが、対して、予算(国の運営に必要な経費)は、一般会計で80兆円、特別会計を合わせると、実際は約200兆円、そして何と、国債の利払いだけで年間20兆円と言われます。

つまり、我々個人に当てはめてみると、年収500万円で、実際に年間に使っているお金が2,000万円、借金が1億円程あり、その利子の支払いだけで年間200万円程払っているということになります。

当然、生活は回らないですから、どんどんと借金を重ね、やりくりして凌いでいるわけです。
恐ろしいですね。

個人なら、当然、貸してくれる人はいないですし、完全に破綻しています。
ちなみに日本の国債の格付けは、S&PでAA、ムーディーズでAa3となっています。
これは先進国の中では、低い水準です。

5.社債への投資

社債とは、債券の中で、法人(会社)が発行する債券のことです。
つまりリスクの所在は、その会社ということです。

企業が借入をする場合は、銀行借入などが一般的ですが、選択肢の一つとして、社債の発行があります。

返済義務のある借入という点では、銀行借入と同じです。
しかし、社債は、市場が形成されており、社債を購入した人は、市場で売買することも可能です。
その意味で、当然、しっかりした相応の会社でなくてはならず、社債の発行には、ある程度の条件を満たすことが必要となります。

社債には、通常の社債のほか、株式に転換できる転換社債、有利な金利を支払う代わりに、もし会社がつぶれた場合には、優先順位が劣る劣後債などがあります。

6.格付け機関は信用出来るか

「格付」という言葉をよく耳にします。
これは、ホテルやレストランをランク付けした「ミシュラン」と同じです。
ミシュランはフランスのミシュラン社が星の数により、ホテルやレストランをランク付けしたもので、定評があります。

しかし、当然ながら、ミシュラン社の独断によるものです。
金融の世界の格付期間も全く同じで、代表的なものは、アメリカのS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)、ムーディーズの2社です。

他にもヨーロッパのフィッチや日本でも日本格付研究所などがありますが、一般的には上位2社が権威があり使われます。

これらの格付機関は、財務状況や業務の将来性、業界での地位、経営の視点、等々、様々な点を調査して、格付を決定しています。
格付が高ければ高いほど、借入が返ってくる可能性が高く(債務返済能力が高く)「信用格付」が高いと言います。

信用格付とは、債務返済能力と言いかえられます。
つまりリスクが低いと表現します。
最近は、格付けは、あくまで格付け機関の判断に過ぎませんが、最近ではかなり重要視されます。

借入や資本市場からの資金調達を行う際に、格付けがモノを言うからです。
格付けによって、借入金利や条件が決まってしまうのです。

格付けを取っていなかったり、悪すぎたりすると、資金の調達が出来なくなることもあります。
このような仕組みを作ったあたりは、金融で世界の主導を握ろうとするアメリカの国家戦略が見え隠れする部分です。

本来なら金融業を営む会社は格付けが高くないと、理論が合わないのですが、実際には珍現象?が起きます。

例えば、日本のメガバンク3行は概ねシングルAからダブルAマイナスくらいの格付けなのですが、トヨタはトリプルAです。

よって、トヨタが銀行から借入をする場合には、格付けが高い者が低い者から、お金を借りることになります。
トヨタにしてみれば、”銀行に置いておくより、我々が運用した方がリスクが低い”のに、金利を払うということになります。

7.株式投資の勝ち方

株式投資とは、まさしく企業の株を購入することです。
具体的には例えば、トヨタ自動車は世界一の販売台数に迫っており、将来はまだまだ成長すると、あなたは思います。

それで株式市場を見てみると、(2009年2月3日現在)一株2,880円で、売買単位は100株となっています。

ここでは手数料等は計算外として、つまり28万8,000円あれば、トヨタの株を1株持てるわけです。

将来、トヨタが成長して業績も良くなれば、株価は上がるし、逆にGMやフォードに逆襲され、またはキアやタタに追いつかれて、業績が陰れば、株価も下がってしまうというわけです。
当然ながら、トヨタ株に投資するリスクはトヨタのリスクです。

ここで、あなたは色々な事を考えることになると思います。
トヨタは将来どうなるのか?自動車業界はどうなるのか?自動車の売上は毎年増えているのか?等々です。

そうです。

株式投資の一番安全な方法は、自分が一番良く知っている業界で、自分が良く知っている会社の中から良いものを選ぶということです。

当たり前ですが、これが一番確率が高いと言えますし、自分が良かれと判断するわけなので、失敗した場合にも諦めもつきます。

株式で常に勝つためには、非常に多くの知識や情報が必要となると言えるでしょう。
様々な業界の仕組みや動向、各企業の動向、また新技術に対する知識等も勉強する必要があります。

但し、株の場合は、その国の経済の調子が悪いと、いくら個企業の業績が良くても、株価全体が下がってしまうケース等も多く見られます。

もちろん逆に、経済全体の好調さを受けて、株価が自然と上がるようなケースもありますが、その国の経済、平均株価等に大きく影響されることは否めません。

よって、新興国の株を選ぶということは一般的には理に適っていると言えます。
いずれにしても、株式投資される方は、その業界に興味があり、各社の特徴や業界内での位置づけ等をよく把握している方にお勧めです。

もちろん、自分がその会社の内部や関係者で、業務上知り得た内部情報や機密情報により、利益を得た場合はインサイダー取引として、罰せられてしまうことは言うまでもありません。

8.投資信託はどうか?

投資信託は、一般的には「投信」とも呼ばれます。
投資の際、より多くの種類の金融商品に分散投資したいというニーズがあります。

その際、個人では投資金額が十分でなく、分散投資が不可能な場合が多々あります。
また、自分では、どの金融商品に投資して良いか判断がつかないので、プロに任せたいというニーズもあります。

このようなニーズを同時に満たすものが投信と言えます。
投信は、多くの投資家から、資金を集め、それを信託銀行に預け、ファンドマネジャーと呼ばれる運用責任者が、運用先を株式や、債券、不動産、コモディティ、デリバティブといった金融商品に投資するよう指示します。

運用の結果、成果が出た場合には、それを投資家に還元する仕組みです。
当然、運用で失敗し、元本割れになった場合でも、それは投資家が負担します。

投信には、様々な種類があり、その運用先も様々です。
よって、その投信や運営責任者であるファンドマネジャーのポリシーを良く知る必要があります。
基本的に、リスクを控え目にして安全性を重視するのか、それとも、その逆か。

また、投資する種類は主にどのようなものか。
株式が中心なのか、不動産に多く資金を投入するのか。
これを「ポートフォリオ」と呼び、このポートフォリオを知ることにより、その投信の性格が、およそつかめます。

投資先が自分の好みに合った先であること、またはファンドマネジャーや運用会社を信頼出来る先を選ぶということが大事です。

その意味でも、投資を行うためには、まずは自分の考えを持つことは大切です。
将来は、インドや中国は絶対伸びる。
だとか、金や石油はきっと価格が上がる。
とか、そういうことです。

日頃の仕事や生活の中で、そのようなことを感じることはあると思うので、その感覚を大切にし、第3者やプロの意見を聞いて、その自分の意見を検証してみると、糸口がつかめると思います。

また投信の場合、手数料体系にも注意することが必要です。
どのような手数料体系になっているのか、手数料は割高でないか。
どのような場合に発生するのか、等です。

日本では、銀行預金の元本保証運用という意識がまだまだ多いので、投信でもMMFのような、かなり安全性が高いと思われ(国債が中心等)利回りも低いものが一般的です。
このようなケースでは、想定以上の利回りは期待が薄いため、運用会社は、手数料で稼ごうという意図が目立つケースがあります。

一方で、海外では、そもそも腕自慢のファンドマネジャーが、実績を上げた分から、自分も利益を貰うので、基本の手数料は安いという商品も珍しくありません。
あくまで、運用で成果が上がったら手数料もそれなりに貰うという成果報酬の精神に基づくものが多いのです。

いずれにしても、投資信託と一口で言っても、あまりに多くの種類があるため、自分のポリシーに合った投信を選ぶことが大切です。

9.コモディティは本当に値上がりするか

コモディティ投資とは、訳した通り、商品に投資します。
代表的なものは、原油、ガスなどのエネルギー関係、金、銀、鉄、銅などの金属、非鉄関係、米、とうもろこし、牛肉等の食糧関係、等です。

これらの一般的な各商品には指標があり、マーケットが形成されています。
コモディティは一般的に、株式や債券とは、異なる値動きをすることが多いため、分散投資の際にサブ的に組み入れられることが多いのです。

しかし、その値動きは非常にボラティリティが高く、(ボラティリティが高い=値動きが激しいという意味)リスクが高い金融商品とも言えます。

例えば原油価格で言えば、数年前までは、1バレル20-25ドルくらいでしたが、昨年には一気に150ドル程度まで上昇、現時点2009年1月時点では、また40ドル程度まで戻っています。

非常に有名な投資家である、ジム・ロジャーズ氏は、長期的に株式とコモディティは20年サイクルで上昇下降すると言っています。

現在は株式下落、コモディティ上昇の流れで、これは98年に始まったので、短期での上下は差し置きが、あと10年は、長期的に見れば、”コモディティが買い”だと言っています。
コモディティは保有しているだけでは利息は生まないので、売買による利ざやにより、運用益を上げる形になります。

10.不動産(REIT)は伸びるか

REITとはReal Estate Investment Trust の略です。
つまり不動産投資信託です。

日本では歴史はまだ浅く第1号のREITは2001年です。
REITは収益不動産物件からの収益を投資家に還元する仕組みです。

不動産投資とREITの関係は、株式投資と株式中心の投信への投資に似ています。
もし、資金が十分にあり、個別の株式、もしくは不動産について知識が十分にあるのならば、個別の投資が向いています。

しかし、資金が十分でなく、運用先もある程度プロに任せたい場合は、投信やREITを選ぶ選択肢があります。

日本のREITは、不動産の開発業者が運営するケースもあり、そもそもの不動産取得価格が割高であったりと、問題を抱えているケースも多いようで、2008年10月には、J-REIT初の破綻先が出てしまいました。

しかし一方で、2009年1月には、日本銀行が、J-REITの発行する投資法人債の一部を投資適格担保として認めるなど、政府、日銀が業界を支えていこうというような意志も見て取れます。

株式、債権、コモディティ、不動産等の金融商品の中で、これらからの時代は不動産が上がるだろうという考えの方で、個別の不動産を取得するには資金が十分でない方には、有力な選択肢となります。

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